スウィート・アラカルト

食後は別腹クレープ!

650日分の祝福を

私には、この幸せを享受する資格があるのだろうか。

そう思ってしまうくらいに、あなたの息遣いが聞こえる日々は幸福で。

もう一度この道を選んでくれてありがとう。あらためて、おかえりなさい。

 

 

2020年、夏。私はひどく心が沈んでいた。まさに、先が見えない真っ暗な闇の中。明かりを灯そうにも、求めるひかりはひとつしかなくて。でもきっと、それを得られるのはもっと先のことになるだろうと思っていた。

8/12。突然の吉報は、FC動画によって齎された。ずっと待ち望んでいたそのひかりは、驚くほどに大好きな面影そのままで。1年9ヶ月という年月と大きな病を乗り越えた後でもなお、その姿を見せてくれることに、ただただすごいと思った。そして何よりも、もう一度アイドルという道を選んでくれたことが本当に嬉しかった。アイドルという仕事は、きっと私が思っている以上に過酷なものだ。且つ彼に降りかかった病は、その根本を大きく揺るがすものであったに違いない。他の道を選んでも全くおかしくない状況であったはずだ。しかし、彼はこうして戻ってきてくれた。どんなに感謝してもしきれない気持ちでいっぱいになった私は、はじめてファンレターをしたためた。

彼の今の姿を見られるだけでこんなにも世界が輝いて見えるのか、と実感し始めた8/21。健人くんのブログに、彼の動画が投稿された。休止の頃にはなかったシステムである「ブログへの動画投稿」にどきどきしながらも開いた私は、見事にその姿に打ち抜かれた。FC動画の際には気付かなかったが、休止前よりも更に美しくなっているのである。雰囲気はそのままに美しくなるだなんて、そんな都合の良いことがあっていいのかと思わず天を仰ぎ涙を流してしまった程である。

8/26には、新たなFC動画が投稿された。新曲のダンスを彼に教えようという企画だったのだが、復帰後2回目とは思えないほどの和やかさに満ちた動画であった。まず、彼の動きがうるさい(いい意味で)。他のメンバーも言動が各々フリーダムである。私がSexy Zoneを好きになったきっかけが「らじらー!サタデー」だったのだが、まさにその空気を感じられるたいへん楽しい動画であった。

同じ週である8/29には、アーティスト写真が更新された。白いスーツに身を包み、センターで膝を立てて座るその姿があまりにも勇ましく動揺した。一方、個別のメンバー写真ではにこにこの笑顔でありそちらにも悶えた。

これは雑誌仕事が楽しみだと思っていたところ、9/10にはnon-no12月号表紙の知らせが入ってきた。キャッチコピーは、「最強の5ショット!」。こんなにも元気の出る言葉はなかなか無いな、とすぐに予約をした。その夜には、Sexy Zoneの冠ラジオであるQrzoneにて、復帰後初パフォーマンスの告知があった。舞台は、9/12の「THE MUSIC DAY」。日テレの大型歌番組ということで、奇しくも休止発表の日のことを思い出し、胸がきゅっとなった。

 

期待と不安が入り混じるなか迎えた、9/12。いつもとは違う遅い時間帯でのパフォーマンス。これも休止の頃には無かったシステムだよなと思いつつ、番組公式twitterの動画をRTしながら、ただただ出番を待った。

ジャニーズシャッフルメドレー第二弾が終わり、やってきた21時台。胸の高鳴りは最高潮。時間帯の中での順番は分からないため、常に油断ならない状況。そしてついに、5人の姿が映る。CM中になんとか調子を整え、画面を凝視する。

 

休止直後に今度はもっと幸せな話題で取り上げられて欲しいなと思ったワイドショー、Sexy Zoneのムードメーカー、ずっと心に残っている24時間テレビ、MCで真ん中に立つ姿、優しい声と柔らかな笑み、買ったはいいものの数回しか聴けていないRUN、この曲はまさに今の彼らの姿と重なりますね、1年9ヶ月ぶりのパフォーマンス、はじまるイントロ、いちばんに抜かれる真剣な眼差し、まるでブランクを感じさせないしっかりとしたダンス、「君の過去も今も未来も」、センターの映えるフォーメーション、いままでに見たことのない表情、え、なに、ちょっと待って、待たない、サビで立つセンター、「街は眠るパラパラと変わって行く信号機」、その首の動き、間奏、またセンター、だからそのかお、アウトロ、解ける表情、満面のえみ、に、わたしは、くずれおちること、しか、できなかった、

 

 

━━私がきちんと言葉を発せるようになった頃には、番組内のドラマはとっくに終わっていて。それまでずっと、友人に抱きついたままうわああん、と叫び続けていた。想像を遥かに超えるパフォーマンスについてなんとか語りたかったのだが、なかなか舌が回らなかった。

まず何よりも思ったのは、そんな表情もできるんだね、ということだった。私は彼の目まぐるしく変わる表情が好きで、特に好きなのは真剣な眼差しだ。今まで何回もその表情に打ち抜かれてきたが、今回の「真剣な眼差し」は初めて見るものだった。一瞬の、剥き出しの苦悩。しかし次に見せる瞳は、絶望ではなく、不屈の意志を湛えていた。今の彼の強さを形にしたような、途轍もなく熱い眼差し。

次に、「RUN」で良かったな、と心の底から思った。紹介にもあった通り、今のSexy Zoneとも重なる曲。数多くの困難に立ち向かってきた彼に「君の過去も今も未来も」というフレーズが割り振られた事実。過去の葛藤と今の努力が報われ、幸せな未来が訪れてほしいという祈りを改めて捧げることになった。また、私がこの曲で一番好きな、以下のフレーズ。

感じているんだろう?感じてなきゃダメ

痛みに気づかないふりをするな

Sexy Zone RUN 歌詞

きっと彼は痛みがよく分かる人なのだろうと、私はずっと思っている。だからこそ向き合っている苦悩が、恐らくたくさんあって。それでもこうして前に進んでいけるところが、本当にすごいことだよな、と思う。痛みを知っているからこそのやさしさに、私は強く惹かれているため、このフレーズのある曲を歌ってくれたことが嬉しかった。

そしてこれらの説得力を高める、強いパフォーマンス力。1年以上のブランクを感じさせないそのダンスに、目が釘付けになった。ここでも、アイドルでいてくれることのありがたさを改めて感じることとなった。

 

1年9か月の間、とても苦しくて。でも、一番苦しかったのはきっと紛れもなく彼自身で。それなのに今こうしてこんなにも幸せを与えられる彼は、本当にすごいアイドルだ。自分にその幸せを受け止める権利があるのか、という思いがずっとぐるぐるしているが、彼がアイドルでいてくれる以上、日々精進していくしかない。ひとまず今は、これからの彼の人生が幸せに満ち溢れることを祈っている。

 

 

どんなに感謝してもし切れないから、最後にもう一度。

松島聡さん、ふたたびアイドルの道を選んでくれてありがとう。

大好きです。